この記事では、一般相対論において用いられる接続に課せられる条件(捩率条件)と、その条件を満たす接続について解説する。
接続の変換則
座標変換に対する接続の変換則は、次のように与えられる。
接続の変換則
この変換則の導出は、こちらで詳しく説明されている。
反対称化された接続がテンソルになること
しかし、接続の下付き添字を反対称化したものはテンソルとして振る舞う。
ここで、反対称化の記号を次のように定義した。

文献によっては、係数の
反対称化された接続がテンソルとして変換することの導出
1つ目の等号では、反対称化の定義を用いた。
2つ目の等号では、
3つ目の等号では、第3項と第4項のダミー添字を付け替えた。
4つ目の等号では、偏微分が可換なことを用いて第4項を書き換えた。
これにより、第2項と第4項が互いにキャンセルすることがわかる。
あとは残った項を整理して反対称化の記号で表せば、
捩率条件
接続の下付き添字を反対称化したものはテンソルとして振る舞うことがわかった。
等価原理により、我々が興味のある時空は、局所的には平坦な時空とみなせるような時空である。
つまり、任意の時空点において、局所的には接続をゼロとおくことができるはずである。
そして、
したがって、
これを捩率条件という。
捩率条件
接続の反対称部分がゼロということは、言い換えれば、下付き添字の入れ替えに関して対称な接続を考えるということである。
このような接続を対称な接続や捩率のない接続という。