メニュー

物理数学|宇宙へ向かう物理学

物理学を学び始めると,最初にぶつかるのが数学である.

微分積分,線形代数など,さまざまな数学が登場するため,何から学べばよいのか分からなくなることが多い.

このページでは,物理学への応用を念頭におき,物理数学を最短で学べるように整理している.

上から順に進めることで,物理学を理解するための土台を無駄なく築くことができるだろう.

目次

STEP1. スカラーとベクトル

質量や温度のように,大きさのみで表される量をスカラーと呼ぶ.

一方で,速度や力のように,大きさと向きをもつ量をベクトルと呼ぶ.

スカラーを太字でない文字 $a,b,c,\dots$ で表し,ベクトルを太字 $\boldsymbol{a},\boldsymbol{b},\boldsymbol{c},\dots$ で表す.

STEP2. 微分積分

微分積分は,変化の様子を扱うための数学である.

物体の運動や場の変化など,物理現象の多くは時間や空間に対して変化するため,微分積分は物理学の基礎となる.

2-1. 微分

関数 $y=f(x)$ を考える.

$x$ がわずかに変化したときの $y$ の変化率は,

\begin{align} \frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x} \end{align}

で表される.

この変化を限りなく小さくしていった極限が,微分である.

\begin{align} \frac{df}{dx}=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}. \end{align}

微分は,「その瞬間の変化率」を表す.

物理学では,速度や加速度は微分によって定義される.

2-2. 積分

微分が「変化の速さ」を表すのに対し,積分は「量の積み重ね」を表す.

ある区間における量の総和は,小さな区間に分けて足し合わせることで求められる.

この分割を無限に細かくした極限が,積分である.

\begin{align} \int_a^b f(x) dx \end{align}

2-3. 微分と積分の関係

微分と積分は,互いに逆の関係にある.

すなわち,瞬間の変化率を足し合わせて元の量を復元する操作が積分であり,逆に,量の変化率を取り出す操作が微分である.

STEP3. 線形代数

線形代数は,ベクトルや行列を扱う数学である.

複数の量を同時に扱う際や,座標変換を考える際に重要な役割を果たす.

STEP4. ベクトル解析

ベクトル解析では,空間に分布する量(場)に関する微分積分を扱う.

STEP5. 微分方程式

微分方程式は,変化の法則を方程式として表したものである.

物理法則の多くは微分方程式として書かれ,それを解くことで現象の振る舞いを理解することができる.

参考:おすすめ参考書

自身が読んだことがある参考書の中で,特におすすめのものをいくつか紹介する.

水本久夫「微分積分学の基礎 改訂版」(培風館, 1993)

高校の微分積分の知識から,スムーズに大学レベル(偏微分や広義積分)にレベルアップできる.

図や例題が多く,きちんと手を動かしながら読み進めることで,物理学に必要な微分積分の基礎が身に付くはずだ.

齋藤正彦「線型代数学」(東京図書,2014)

定義→定理→証明→例と進んでいく形式の線形代数の教科書である.

はじめに行列を用いた具体的な計算に慣れ,そのあとで線形空間などの抽象的な議論に移行するため,初学者でも理解がしやすい構成になっている.

問題の解答が詳しいところもポイントである.

図が少ないことが唯一の欠点である.

もし本書が難しく感じる場合は,以下の本と並行して読むのが良いだろう.

長谷川浩司「線形代数 改訂版」(日本評論社,2015)

齋藤正彦「線型代数学」の欠点を補うのに,図が多く載っている本書がおすすめである.

適宜,図を書き写しながら読み進めていくことで,物理学で行列を扱う際にも,状況の理解が自然とできるようになる.

他の分野のおすすめ参考書はこちらからどうぞ.

目次